海外と国内エアラインではエコノミー席のシート幅が異なる!?

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海外エアラインではエコノミークラスのシート幅がどんどん狭くなっている

ただでさえ、狭いスペースで座ることを余儀なくされるエコノミークラスですが、海外エアライン各社では年々座席のサイズ自体が小さくなってきていることをご存知ですか?

 

元々エコノミークラスの座席は「3-3-3」という横9列の座席が常識でした。
ところがボーイング777に採用されたのが「3-4-3」という横10列の座席です。
機体が開発され大きくなったから、ではありません。
一つひとつの座席を少しずつ小さくして「3-4-3」という10席分のスペースを確保したのです。
座席の幅は18.5インチ(47cm)から17インチ(43cm)と4cmも縮められました。
全て座席数を多く確保して、多くの人を乗せ、少しでも利益をだそうという考えからです。

 

この座席配列は初め、短距離、中距離のみの飛行機に採用されていました。
短い時間であれば座席数が狭くても我慢できるからです。
ところが現在は長距離路線でも就航しています。

 

17インチの座席が始まったのは、ボーイング707からです。
当時座席の幅を決めるときに軍用機と同じ17インチで問題ないだろう、となったのです。
しかし搭乗客が増えてみると、実際のところ17インチでは狭すぎるとジャンボ機が登場した頃には18インチと座席の幅は広くなりました。
そして90年台の777では更に18.5インチまで大きく広げられたのです。

 

しかし2000年以降、一度は広がった座席の幅が利益率を求めて狭められるようになり「狭いから」と広げられた座席が再び狭められているのです。

 

今後は787でも「2-4-2」の横8列の期待でも「3-3-3」という横9列の座席に変更するという話が出ています。
座席の幅を狭くして、座席数を増やすためです。
今後はますます17インチが主流になっていくかもしれませんね。

一方、日系エアラインではエコノミー席の幅が広くなっている!

世界の主流はエコノミークラスの縮小化です。
しかしそれとは反対の方向に進んでいるのが日系エアラインです。
JAL、ANAの日系エアラインではエコノミークラスの座席を縮小化するのではなく、少しずつスペースを広くしようとしているのです。

 

JALではスカイワイダーという従来より広いエコノミークラスが2013年に導入されていますし、2014年にはスカイワイダーⅡが搭乗しています。
では幅が広くなった分、座席数が減ったのかというとそうではありません。

 

JALは企業努力によって座席数を維持しながらエコノミークラスの質を高めようとしているのです。
具体的にいえば、JALでは座席の背もたれを従来よりも薄くしました。
強度を維持しながら座席を薄くすることで、シートとシートの間のスペースを31インチ(78.8cm)から33~34インチ(83.8~86.4cm)に広げたのです。
最大10cmほど前後のスペースが広くなったということです。

 

座席と座席のスペースが広くなったことで、座っているときにも窮屈さを感じることなくリラックスできるようになりました。
また、窓側の人がトイレに行くために席を立つときもの、これだけ幅があるので、通路の人は座ったままで大丈夫なのです。
トイレに行くたびに通路側の人を立たせることになり心苦しく思う必要もありませんし、通路側に座った場合もお隣の人がトイレへ行くたびに立ち上がらずに済むのです。

 

しかもJALの場合はエコノミークラスの座席の幅も従来よりも2cmも広げました。

 

なぜ世界の主流に逆行するように日系エアラインではエコノミークラスを充実させているには実はきちんとした理由があります。
それが自社のエコノミーを他社と差別化するという目的があるからです。

 

狭くてリラックスできないエコノミークラスに乗るくらいなら値段が少し高くても日系エアラインに乗りたい!と人気をつかもうとしているのです。
日本人は特に機内でゆったり過ごすことを求めますから狙いとして間違っていないのでしょう。

エコノミークラスがどんどん減っている

飛行機で旅行をするというのが特別なことではなくなり、単なる移動手段として考えられるようになったのはエコノミークラスという存在によるものです。
しかし現在、エコノミークラスの座席数がどんどん減らされているのをご存知ですか?

 

なぜならエコノミークラスでは儲けがほとんど出ないからです。
乗客数が増えても利益が増えなければ航空会社としてメリットはありません。
そこで少しでも利益率を高めるためにエコノミークラスの座席数を減らし、徐々にビジネスクラスの座席を増やしているのです。

 

飛行機に乗る必要があるけれど、エコノミークラスが満席だったとなれば仕方なくビジネスクラスに乗る人も増えるでしょう。
お金に余裕のある人ならエコノミークラスは座席が取りにくいし、いつも満席だからと最初からビジネスクラスを選択するようになります。

 

例えば全日空のボーイング777は4つのクラスの座席を備えた大型の旅客機です。
座席数はファーストクラス8席、ビジネスクラスが77席、プレミアムエコノミークラスが24席、エコノミークラスが138席となっています。

 

座席数で見るとエコノミークラスが6割も占めているのですが、実際の飛行機でのスペースを調べてみると座席数は6割もあるのにエコノミークラスに割当られているスペースは1/3程度。
機内の1/3のスペースに、ぎゅうぎゅうに押し込まれているのです。
対してビジネスクラスは座席数が77しかありませんが、エコノミークラスよりも広々とスペースを使っています。

 

この傾向は今後更に広がっていくことが予想されます。
というのもプレミアムエコノミークラスを導入していない航空会社も多いからです。
利益率がエコノミークラスよりも高いプレミアムエコノミークラスが登場すれば減らされるのは利益率の高いビジネスクラスではなく、利益率の低いエコノミークラスからでしょう。